導入
家族や親族、大切な方が亡くなったことを知らせるために送るのが死亡通知状です。葬儀に参列いただけなかった方や、広く知らせる必要がある場合に使われる大切な文書であり、受け取る側にとっても故人を偲ぶ大切なきっかけとなります。
しかし、いざ書こうとすると「いつ送ればいいのか」「どんな文章がふさわしいのか」「弔電や香典をいただいた方への返礼との違いは?」など、不安や疑問が多いものです。特に弔事に関する文書はマナーを誤ると相手に不快な思いをさせてしまう可能性もあるため、正しい知識が必要です。
この記事では、死亡通知状を送る目的や時期、正しい書き方やマナー、文例集、注意点までを詳しく解説します。
死亡通知状とは?
死亡通知状とは、故人が亡くなったことを正式に知らせるための文書です。主に次のような場面で利用されます。
- 葬儀に参列できなかった方へ知らせる
- 遠方の親戚や知人へ訃報を伝える
- 社会的関係者・取引先や勤務先などへ知らせる
近年はメールや電話で訃報を伝えることも増えていますが、正式な書面として通知状を送ることには丁寧な印象と格式があります。
死亡通知状の概要や使い方の基本については、ビズ式「死亡通知の書き方|文例つき」でも詳しく説明されています。葬儀の前後で送るパターンや、ビジネス関係者への対応例などが丁寧に紹介されています。
死亡通知状を送る時期
基本的な時期:死亡通知状は、葬儀や告別式が終わった後、落ち着いたタイミングで送るのが一般的です。
目安:葬儀後1週間〜1か月以内
喪中はがきとの違い
- 死亡通知状:亡くなった直後に知らせるもの
- 喪中はがき:年賀状の代わりに翌年の挨拶を控える旨を知らせるもの
両者を混同しないように注意が必要です。
死亡通知状の基本構成
- 冒頭の挨拶:「亡くなりましたことをご通知申し上げます」など、簡潔で正式な表現を使います。
- 故人の名前と逝去の事実:フルネームと亡くなった日付を明記。病名など詳細は不要です。
- 葬儀に関する情報:すでに葬儀を済ませたこと、家族葬で案内できなかった旨などを記載。
- 香典・供花辞退の旨:辞退する場合はその旨を明記。
- 結びの言葉:「故人を偲んでいただければ幸いです」などで締めくくります。
死亡通知状の書き方のポイント
- 縦書きが基本(ビジネス関係では横書きも可)
- 忌み言葉を避ける(例:「重ね重ね」「再三」など)
- 簡潔で丁寧に、長文にしない
- 句読点を使わないのが一般的(弔事文書の慣習)
で覚えておきたいポイント:相手に配慮し、淡々と事実を伝えること。
で注意すべき点:過剰な美辞麗句や個人的な感情を長々と書かないこと。
死亡通知状の文例
一般的な文例
故 ○○ ○○ 儀 かねてより病気療養中のところ ○月○日 ○歳にて永眠いたしました ここに謹んでご通知申し上げます なお 葬儀告別式は近親者のみをもって相済ませました ここに生前のご厚誼を深謝申し上げ 故人の冥福をお祈りいただければ幸甚に存じます
ビジネス関係者向け
弊社 ○○部 ○○ ○○ が ○月○日 永眠いたしました ここに謹んでお知らせ申し上げます 生前賜りましたご厚情に深謝いたしますとともに 今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます
さらに、送るタイミングや通知文の体裁に関する詳細は、
JP-Guide「死亡通知状の書き方:書式・出す時期・例文など」
でも紹介されています。個人宛・会社宛それぞれの文面例や、封筒・便箋の選び方なども参考になります。
死亡通知状を送る際の注意点
- 送付先リストを整理する(親戚・知人・取引先など)
- 封筒は白無地または弔事用を使用
- 郵便はがきではなく封書が望ましい
- 返信不要の旨を記す場合もある
死亡通知状と合わせて検討すべきこと
- 香典返しや挨拶状との兼ね合い
- 喪中はがきとの使い分け
- 会社・団体宛ての場合は社判や代表者名を明記
まとめ
死亡通知状は、故人が亡くなったことを正式に知らせる大切な文書です。
送る時期は葬儀後1週間〜1か月以内が目安。内容は簡潔に、忌み言葉を避けて丁寧に記すことが大切です。
文例を参考にしながら、相手に配慮した表現で心を込めて作成しましょう。
形式やマナーを守りつつも、温かみのある通知状を送ることが、受け取る方への思いやりとなります。相手にとっても故人を偲ぶ大切な機会になるため、正しい方法で準備しましょう。