「銀塩プリントのほうがキレイ」という主張の無意味さについて

投稿日:2014年6月19日 更新日:

printby Louish Pixel

銀塩プリントとは、印画紙自体が発色する、フィルム時代から使われてている昔ながらのプリント方式です。最近ではインクジェットの品質が良くなり、「写真」として十分に鑑賞に堪えるものになっています。
一般用途ではL判でプリントをするのがほとんどです。それにはどちらが適しているのでしょうか。

インクジェットも不足ない品質

銀塩とインクジェットをL判でプリントしたものを比べてみれば、あきらかに写りの傾向が違います。でも、どちらか片方を見せられて、その品質に不満を言う人はほとんどいないでしょう。それくらいインクジェットプリントの技術は向上しています。

どちらか好きなほうを選んでもらっても、「銀塩のほうが良い」と言う人が多数派になることはないでしょう。私は個人的にはインクジェットのほうが、くっきりしていて好きです。銀塩のほうが昔風な味付けを感じます。
プロやハイアマチュアのフィルム・銀塩プリントの支持層は高年齢層に偏っています。通常、自分が生きてきた中で「良いとされていた物」は、変更されないことが多いです。子供のころ好きだった食べ物は、大人になっても好きであることが多いでしょう。

カラー写真が出てきたときも、「あんなものはダメだ」という人がいたらしいです。映像でも、今まではフィルムでの撮影が最上とされていましたが、かかる予算がデジタル撮影とあまりに違いすぎるため、フィルムは確実に廃れて来ています。

耐久性の違い

インクジェットプリントは、耐久性に問題ありとされてきました。しかし、メーカーは、アルバムに収めて、直接空気に触れないようにきちんと保存すれば、200年の保存が可能だと喧伝しています。私も染料でプリントしたインクジェットプリントをアルバムに収めてありますが、18年近くたった今でも、見た目には色あせは気になりませんし、急激に劣化していくことも考えにくい状況です。

銀塩プリントは、現実に数十年の月日に耐えてきたプリントが数多く存在しますので、信頼性という点では一歩リードしています。
客観的に見れば、銀塩、インクジェット、ともに問題なく長期保存できるようです。

コスト勝負では?

銀塩とインクジェット、どちらも写りも耐久性も合格点、となれば、あとはコストの問題です。インクジェットは機種や用紙によりますが、L判一枚で15~30円のコストがかかるようです。一方、銀塩はネットプリント店では、一枚5円をつけているところがあります。おおよそ、相場は5~15円というところです。

結局のところ、銀塩プリントはコストが圧倒的に安く、インク交換などのプリント作業の手間を考えても、まとまった枚数のプリントは銀塩プリントのネットプリント店に頼むのが、現時点ではベストと考えます。ネットプリント店も、耐久性やキレイさゆえに銀塩プリントを販売しているのではなく、現状ではコストと速度的に、銀塩のほうが薄利多売に適しているからなのです。

今後、コストが安くて品質のよい、新しいプリント方式が開発されれば、それに移行していくでしょう。

こだわりと関係なく時代は流れる

今でも、プロやハイアマチュアや芸術家の方の中には「フィルム一筋」な方もいますが、写真が仕事や趣味ではない普通の人では、利便性の点から言って、フィルムを使っている人はほとんどいないでしょう。

しかし、フィルムを売る会社が、「フィルムの表現力は素晴らしい」とか「フィルムは長持ちする」と宣伝したところで、それに反応して、「やっぱりフィルムだよね!」とフィルムカメラを使いだす人がいるでしょうか。趣味仕事でなはない人間でそんな人はまずいません。デジタルと比べて撮影しただけでお金がかかるし、現像に出す手間もかかります。

「データや画面表示の画像は写真じゃない。紙にプリントされたものが本当の写真なんだ」と言う人もいます。もちろん個人の好みや価値観は自由です。しかし現在では、ディスプレイの透過光で写した画像のほうが、プリントよりキレイだと感じる人も多いでしょう。光の明暗などを表現した風景写真などでは、透過光のほうがより印象づけられる場合もあります。大きなディスプレイに映し出された画像を見て、「これが紙のプリントだったら、もっとキレイだったのになぁ」などと感じる人が果たしてどれくらいいるのでしょうか?

少し前まで、履歴書に貼る証明写真の注意事項に、「デジタル写真はダメ」というようなことが書かれていることがありました。デジタルで撮った写真は「本物の写真じゃない」という感覚があったんですね。今では、まったくデジタルデータ化されることなく、プリントをするのはかなり困難です。

これから、写真がプリントされることがどんどん少なくなり、ほとんどディスプレイでみるようになると、「写真」という言葉の定義も変わってくるでしょう。そうなると「写真」という言葉より、「画像」「静止画」なんていう言葉のほうしっくりくるかもしれません。

芸術や趣味の範囲では、好みの作品を作るために個人が最適なものを選べば良いでしょう。しかし、一般用途では、利便性とコストの優れたものが使われるということです。フィルムはコストと利便性が、デジタルデータを使用するデジタルカメラに比べて、明らかに劣っていたので使われなくなりました。

銀塩プリントの優位性は、ネットプリント店の言うようなキレイさや耐久性ではなく、利便性とコスト面なのです。

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