デジタル時代に写真を30年間保存する方法

投稿日:2014年6月11日 更新日:

イメージphoto by hinderik

フィルムで写真を撮影する人はほとんどいなくなり、写真はほぼデジタル化されました。写真がデジタル化され、データの自在にコピー可能だし、家族友人との共有も手間なくできます。写真の活用に関しては、フィルム時代に比べて本当に便利になりました。しかし、便利になったとはいえ、注意しなくてはならない点もあります。デジタルデータは操作ミスなどにより消失する可能性があるため、きちんとバックアップをとることが重要です。長期的に保存する場合、デジタルデータはフィルムよりも計画的な保存が必要になってきます。

意外と短い保存メディアの寿命

バックアップとは、かんたんに言えば、データを2つ以上のメディアに別々に保存してある状態にすることです。そうすれば1つのデータが、操作ミスでの消失や、メディアの物理的な故障や破損によってデータが読みだせなくなったとしても、もう1つデータがあるので安心というわけです。

デジタルデータを保存するメディアは、ハードディスク、書き込み可能な光学ディスク、クラウドデータ保存サービスなどがあります。ここで注意しなくてはならないことは、これらのデータ保存方法は想定される寿命が意外と短いということです。ハードディスクでパソコン内蔵のものは、毎日使用していれば、一年くらいで故障するものもありますし、使えば使うほどクラッシュの危険性が高まります。外付けハードディスクは内蔵のものより傍弱なようです。ハードディスクでより安全な保存方法として、複数のハードディスクを使用する「RAID」という方法がありますが、これも、実は確実な方法ではありません。(「RAIDを過信してはいけない」、データのバックアップやRAID復旧についてHDDのプロに聞いてみた)

保存メディア固体の物理的な劣化の問題もありますが、30年ぐらいのスパンで考えると、光学ディスクを読みとるディスクドライブが残っているかどうかもわかりません。現在でもすでにディスクドライブを装備しないパソコンが出てきています。USBコネクタなどのケーブルも接続できなくなっている可能性が高いです。昔、主流だったフロッピーディスクも、今ではほとんど目にしません。クラウドサービスにしても、30年後に同じサービスが継続していることはないでしょうし、クラウドサービスにも事故はあります。「阿鼻叫喚!クラウドサービス事件簿」

現在見ている昔の写真は

デジタル化されて便利になりましたが、デジタルデータの保存メディアは長期保存に難点があります。今現在、見ることのできる昔の写真はどういうものでしょう。言うまでもなくプリントされて保存されていた写真です。20年以上前の、デジタル化される前のフィルムからプリントされて保存されていた写真は、今現在でも問題なく見られる状態です。銀塩プリントは、劣悪な環境でなければ、100年程度は保存できます。もちろん色落ち等の劣化はしていきますが、記録・記念の写真では問題ないでしょう。

フィルム時代は、フィルムを現像してプリントしなければ、写真を見ることができませんでした。プリントしなければどんな写真が撮れているのか、という確認すら出来なかったのです。フィルムは、ネガ現像と同時プリントを終えた時点で、ネガとプリントという保存性に優れた二つの媒体を持つことができていました。デジタルで言う、バックアップ体制が出来あがっていたのです。

プリントは、湿気のある場所におかない、写真の表面は空気に触れないようにする、などの環境面でのちょっとした気遣いはあったほうがよいですが、保存について神経をすり減らす必要はありません。「写真アルバムをしまった場所を忘れた」とか、「災害で消失した」ということを除けば、50年以上前の写真が保存方法の技術的な問題によって消失した、ということはほとんど起こっていないのです。

延々と続くバックアップ更新作業

データのバックアップは、2つ以上にデータを分散すれば、「現在のところは」ほぼ安全と言ってよいでしょう。しかし、上記のようにメディアの寿命は意外と短いものです。数十年のスパンでデータを確実に保存しようと思えば、メディアごとに数年おきに定期的な「保存のやり直し」作業が必要です。

光学ディスクは10年ごとに新しいディスクにデータを移し替え。ハードディスクも3年ごとにデータ移動が必要。クラウドサービスはサービスの運営情報に注意を払わなければいけません。可能性は低いですが、光学ディスクは早くて3年くらいで読めなくなる物もあるようですし、ハードディスクは購入後にすぐ故障する場合もあります。Jpegなどの規格もこの先どうなるかわかりません。確実にデータを残していくには、余裕を見て、3年ごとのデータの保存のやりなおしが必要になります。しかもこの先ずっとです。あまり言われていないことですが、このように、データの長期保存には、それなりの労力を払わなくてはならないのです。

写真の確実な保存方法とは

最近では写真をプリントしない人が多数派なようです。たしかにコストもかかりますし、プリント後の整理などもわずらわしい作業です。しかし、プリントは長期保存の点では信頼できるものです。保存に関してのプリントの優位性は、アルバム完成後はほったらかしにしてかまわない、というところです。一方、前述したように、デジタルデータには長期保存を前提にした保存方法がまだありません。

プリントも災害などの物理的被害にあう可能性はゼロではありません。データ保存とプリント保存のどちらが確実性があるか、という確立は算定できません。プリントするのはデータのみの保存とくらべて、手間も金もかかります。データ保存は現在は楽ですが、継続的に手間がかかる、という違いがあります。データは増え続けていきますので、このディスクは何年前で作り直し時期はいつで・・・などと管理していくのはけっこう大変な作業です。一番怖いのは忘却です。気づいたときには、あれもこれもダメになっていてデータが完全に消失してしまった・・・、なんていう事態も起こりえます。

「データ完全消失」というのは、最悪を想定した場合であって、心配性の人以外はそこまで気にしなくていいかもしれません。私は心配性なので、プリントと光学ディスクの両方で保存しています。データ保存に関しても技術革新もあるでしょうし、これからも、より良い保存方法がないか検討していきます。

現時点では、長期的視野で考えると、写真をプリントしておくことは、一番確実で後の手間がかからない写真の保存方法です。長期保存のことをあまり考えてない方は、大切な写真の保管方法を一度検討してみてください。

「人は少ししか知らぬ場合にのみ、知っているなどと言えるのです。多く知るにつれ、次第に疑いが生じて来るものです」(ゲーテ)

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