フォトブックの基本

フォトブックの「製本方式」

「製本方法」とは、本をどういう方法で束ねているか、ということです。
「綴じ方」とも言います。

いろいろな製本方法がありますが、フォトブックで使われているのは、

「無線綴じ(くるみ製本)」
「合紙製本」
「糸綴じ」
「リング綴じ」

の4つです。
フォトブックでは上の4つをおさえておけばよいでしょう。

以下で4つの綴じ方を説明します。

無線綴じ(くるみ製本)

本の作り
各ページを、本の背で糊で固めてまとめる方法です。
多くのフォトブックで使用されている主流の方法です。ほとんどのフォトブックが「無線綴じ」であると言ってよいでしょう。
コストが安く制作できます。

「くるみ製本」というのは、「無線綴じ」と同じ意味です。

フォトレボ

「無線綴じ」では、構造上ページの元のほうが少し見えにくくなります。
2ページにまたがる写真ではきれいには見えません。

合紙製本仕上げ

綴じ方

印刷した紙を折って2枚貼り合わせて製本する方式です。
左右のページをノド元まで180度開くことができて、非常に見やすい上に、写真をノド元までぎりぎりに配置しても端まできちんと見ることができます。

合紙製本

高級感があり平面性があるので、写真を見るためにはすぐれた製本方式ですが、コストがかかるため、採用しているフォトブックは少ないです。
オンデマンド印刷の一部と銀塩のフォトブックに使用されています。

糸綴じ

綴じ方
各ページをまとめた本の背を、糸を通してまとめる方式です。
「無線綴じ」より本の開きがよく、見やすいです。
上質な本などに採用される、コストがかかる綴じ方です。

「無線綴じ」よりもすぐれた方式ですが、「合紙製本」ほどの利点や個性はありません。
採用されているフォトブックは少なく、あえて「糸綴じ」のものを探すほどの優位性はないと思います。

リング綴じ

本の作り
リングで紙を束ねているタイプです。本文の一枚一枚が見やすい構造です。
「無線綴じ」や「合紙製本」よりも、本としての高級感で劣ります。

商品の種類は多くありません。

どの方式が良いのか

まず強度の問題ですが、これは現在の製本技術ならどんな製本方式であろうと耐久性に問題はありません。
安い雑誌でもない限り、数十年たったらバラバラになっているなんてことは、日本の技術ならありえません。

本の作り

みなさんも、今まで書籍や雑誌などいろんな本を手にとってきたことと思います。
その体験のなかで、「この本の綴じ方はなんだろう?」とか「この本は糸綴じだから読みやすいなあ」なんていう感想を抱いたことがありますか?

私は一度もありません。フォトブックに関心を持つようになって、綴じ方などを知りましたが、それまで「綴じ方」や「見やすさ」などを意識したことはありませんでした。

ということですので、基本的には製本方式は気にしなくても大丈夫。
でもせっかくフォトブックを制作するのなら細部にこだわりたい、という人のために違いを書いてみます。

見やすさの違い

綴じ方
フォトブックの製本方式は、ほとんどが「無線綴じ」です。
「合紙製本」「糸綴じ」「リング綴じ」の商品はほんのわずかです。

その中でも、「糸綴じ」と「リング綴じ」はあまり考慮にいれなくていいと思います。
「無線綴じ」と比べても、あえてそれを選ぶまでの利点が感じられないからです。

「糸綴じ」は耐久性や開きやすさの点で「無線綴じ」よりすぐれていますが、その差はわずかです。
ならば、製本方式にこだわらずに自分好みの商品を選んだほうがよいでしょう。それくらいの差です。

そうなると、「合紙製本」と「無線綴じ」のどちらかから選ぶことになります。

デパ帳レイフラット

合紙製本はその構造からくる平面性により、やはり写真の見やすさが段違いに良いです。本を開いたときに手で押さえておかなくても開いたままの状態を保ったままですし、そういう見やすさもあります。
写真スタジオのアルバムなどに採用されているのはそのためです。

無線綴じが見づらいわけではありませんが、写真を見る環境としては1ランク差があるのは事実です。
しかし、合紙製本のフォトブックは数が少ないので、選べる範囲がすごく少なくなってしまいますし、価格も少し高くなる場合が多いです。

ですので、基本は製本方式はあまり気にせずに「無線綴じ」で大丈夫でしょう。
1ランク上の製本も気になる人は「合紙製本」にチャレンジしてみてはどうでしょうか。

「綴じ方」の選び方 まとめ

事実上の選択肢は「無線綴じ」か「合紙製本」
「合紙製本」のほうが見やすく1ランク上だが商品少ない
基本的には「無線綴じ」でOK