子どもの「やる気」について、こんな興味深い記事がありました。
■“ごほうび”で子供に勉強のやる気を出させるテクニック
子どもに勉強を「やる気」にさせるには、「ごほうびで釣る」というオーソドックスな手法があります。
多数を占めるであろう、勉強が嫌いな子どもの親たちは、多かれ少なかれ用いている作戦です。
記事中には「XY理論」というものによれば、ごほうび作戦は長期的には効果が薄くなる、ということが書かれています。
たしかに私の実体験からも、そういう傾向はあると思います。
しかし、3人の子どもの学習を見てきた経験から、勉強が嫌いな子に勉強させるには、ごほうび作戦をうまくアレンジしていくことがベストだと私は考えています。
子どもは「つまらないこと」はしない
もちろん、子どもにも個性があり、勉強好きでほっといても勉強している子どももいることでしょう。
残念ながら、わたしの3人の子どもの中には勉強好きはいません。
勉強好きでないまでも、女の子は最低限は自分で勉強をします。問題は小学5年の男の子で、まったくといっていいほど自分からは勉強しませんし、強制的にやらせてもやる気はほとんどゼロです。まあ自分の小学生時代を思い返してみたら、人のことは批判できませんが・・。
クラスの子どもの様子などを聞いてみても、男の子で勉強が出来る子どもは、かなり教育熱心な母親がいる子どもが、ほとんどのようです。
男の子のほうが精神的に幼く「やらくちゃいけない事」がある、ということを理解していない子が多いのでしょう。
まあ普通の子どもは、勉強を面白いとは思わないでしょう。
そのつまらない事である勉強を、マンガやテレビを見ることもできる時間に、自分からやりだすというのは、まず考えられません。
子どもが「成果を欲しない」理由
・「自分ならできる!」という自信があるとき
・「これができたら○○してもらえる!」という期待感があるとき
・目標があるとき
上記の三つが心理学で言う「人が自主的に何かをするときの理由」だそうです。
たしかにそうかもしれません。
しかし、これは大人の場合であって、子どもにはなかなか当てはまらないんですね。
なぜなら、3つとも「行動によって手に入れる結果」を欲するがために行動をする、ということだからです。
例えば、「ダイエットするー痩せるー異性にモテる」とか「営業成績を上げるー昇給する」というふうに、行動が自分にもたらす恩恵を具体的にイメージしていないと、「ダイエット」「営業」というあまり面白くないことに励むことはありません。
「どうして勉強しなくてはいけないの?」だの「成績よくなると何かいいことあるの?」という問いに、なかなか説得力ある返答ができないように、勉強をすることによって何か良いことが起こるということは、子どもの頭では理解出来ていません。
経験が少なく知見もとぼしい子どもには、社会の「ああすると、こうなる」という「因果関係」がよくわかっていません。
これが「笛吹けど踊らぬ」大きな理由です。
効果的な「ごほうび作戦」とは
大人も報酬をもらえないのなら、今の職場にいかなくなる人がほとんどでしょう。報酬のためにつらいことがあってもがんばっているのです。
子どもと言えども人間ですので、そこらへんの心理は同じです。
私の家では、数ヵ月後に目標を設定して、達成したらゲームでもおもちゃでも買ってあげる約束をします。多少高価でも、それで子どもが勉学に精を出すと思ったら安いものです。
でも、記事にあったように、子どもというのは記憶力もあまりなく、興奮も冷めやすいものです。
私の子どもも、ごほうびの約束をしても、やる気を出すのは2日くらいです。
ウチでは、子どもの勉強時間の前に、気持ちを切り替えさせるために1分間の黙とうをしていました。
今までは精神を鎮めるために、「何も考えるな」などと禅寺のようなことを小学生に向かって言っていたのですが、イメージ戦略を取り入れて少し変えてみました。
「約束したごほうびを手に入れた自分」「目標を達成して家や学校で褒められ、称えらる自分」を脳裏にイメージさせるように変更。
ウチの子は、イメージが貧困なのかあまり思い浮かばないようなので、私が言葉にしてささやいています。
「やった~!目標を達成してゲームを買った。これはすごいうれしい!」とかって(笑)
その効果か、2日しかもたなかったやる気が数週間に伸びました。
自己啓発本じゃないですけど、人間には「イメージ」に自分を近づけていく行動を取る、というところがあると感じています。

